新潟大学 English

所長挨拶

所長写真

災害・復興科学研究所は,理学部附属地盤災害研究施設(1969年設立)や工学部附属雪氷工学研究施設(1972年設立)における研究を基盤として1978年に「積雪地域災害研究センター」が設立されたことから始まります。当時は地盤災害研究部門,雪氷技術研究部門,地水系保全研究部門の3部門から構成され,日本海側地域に特有な雪氷災害や融雪期の地すべり災害等の研究を推進してきました。

2004年の新潟・福島豪雨や新潟県中越地震に際しては,積雪地域災害研究センターを中核とする全学的な取り組みによって,中山間地域における自然災害からの復興支援策並びに防災・減災に係る方策について多角的視野からの学術的調査分析が行われました。これを契機として,2006年に災害研究と復興科学研究を推進する「災害復興科学センター」が,さらに2011年に「災害・復興科学研究所」が設立され,自然科学から人文社会科学,医学までの幅広い分野が連携した研究を実施し,その成果は広く社会に還元されてきました。

2015年には,全球的気候変動による災害現象の極端化,及び巨大地震に連動した地震・火山活動や複数の要因による複合災害のリスク増大に対応することが急務と考え4部門に改組し,「変容かつ激化する自然災害に対して適応能力が高い強靭(レジリエント)な社会を構築する“Disaster Resilient Societyの創生”」を目指す研究所へと発展させました。

現在は,研究所の特色である積雪地における多様な災害研究を国内外に強く発信するとともに,新潟大学の目標とする「地域から地球環境に至る社会課題の解決と社会変革の創出」のもと,予測困難な災害に対してレジリエントな社会を創生する研究の拠点となることを目指し,国内外の研究機関と連携した取り組みや共同研究を精力的に推進しています。

本研究所の今後の活動に対しまして各方面のご協力とご支援をお願い申し上げます。

 

卜部 厚志
新潟大学 災害・復興科学研究所
所長・教授