2011年04月08日
2011年3月12日の早朝に発生した長野県北部を震源とする地震によって,震源域に近接した体育館において被害が発生した.天井パネルの落下が主な被害であるが,児童の利用中ではなくけが等はなかった.体育館は普段の活動や避難所として活用される施設であるため,パネルタイプの天井について検証していく必要があると考えられる.
調査者:卜部厚志,鈴木幸治,高浜信行,福留邦弘
調査日:2011年3月14日
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体育館は外見的にはRC3階建て相当の構造で,1階部分が玄関や職員室などの間取り(壁構造)がある.外見上の2階3階部分の内部は吹き抜け構造で,体育館として使用している.豪雪地域にはこのようなタイプの体育館・校舎一体型の学校が多い.


体育館床面相当部での水平方向の断裂とせん断破壊がみられる.

パネルは石膏ボード系でやや重量がある.フレームで組んで,屋根の鉄骨からつりさげる構造になっている.

6年生を送る会の準備のため.椅子が並べられていた.

壁はRC柱構造で,屋根部分は円弧を描くような形態の鉄骨構造になっている.ブレース機能の鉄筋がすべてねじ部分(ねじ切りの付け根)で断裂している.