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2012年3月11日に十日町市小出で発生した雪崩災害調査速報

2012年03月21日

2012年3月16日

2012年3月11日に十日町市小出で発生した雪崩災害調査速報

新潟大学災害・復興科学研究所
環境変動科学部門・気水圏環境分野

 2012年3月11日8時半頃,十日町市小出で雪崩が発生し,平屋の消防小屋が全壊して男性1名が負傷した(写真1)。
 気水圏環境分野では3月14日にこの雪崩災害の現地調査を行った。

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写真1 雪崩発生現場の状況(3月14日撮影)
写真1 雪崩発生現場の状況(3月14日撮影)

 雪崩が発生した斜面は北東向き斜面(標高330~380m)であり(写真2,図1),雪崩予防柵が4基設置されていた。現地聞き取り調査から,雪崩発生区は予防柵上部の急斜面(傾斜約50度)であり,予防柵を越えて消防小屋を直撃したことが分かった(見通し角38度)。また,現地測定の結果,雪崩は面発生湿雪全層雪崩(雪崩の全長(斜距離)約100m)であり,発生区のサイズ(幅約4m,長さ約5m)や斜面上部の積雪深(約2m)などから,発生規模は25~30m3程度であると推定された。また,積雪の全層平均密度(約460kg/m3)から,発生量は11.5~13.8トン程度であると考えられる。被災者は消防小屋外にいたが,下半身が押し倒された小屋の下敷きとなり負傷したことが分かった。

写真2 雪崩斜面の状況(3月14日)撮影
写真2 雪崩斜面の状況(3月14日)撮影
図1 雪崩発生箇所
図1 雪崩発生箇所