自然災害に関する国際連携パートナーシップ(GEOMME)講義とフィールド実習をイタリアで開催しました
イベント
本学災害・復興科学研究所は,気候変動に伴い変容する自然災害の予測や防減災,リスクマネジメントに関する研究・教育の国際連携パートナーシップ(GEOMME)をノルウェー・韓国の研究機関・大学と締結しています.
本年度は,”Sustainable approaches for landslide risk reduction and soil improvement”(土砂災害リスクの軽減と土壌改良のための持続可能な取り組み)と題して,大学院生を対象とした講義とフィールド実習を2025年6月17日から27日にかけてイタリアで開催しました.ノルウェーと韓国,日本の大学および研究機関などから学生と研究者が集い,6大学3研究機関の計26名がフィールド実習に参加しました.
参加機関:オスロ大学(UiO),トロムソ大学(UiT),フィレンツェ大学(UNIFI),ノルウェー地盤工学研究所(NGI),韓国科学技術院(KAIST),江陵原州大学校(GWNU),韓国地質資源研究院(KIGAM),新潟大学,防災科学技術研究所
講義では,イタリアにおける斜面災害リスク管理や,欧州や世界における水文気象リスク軽減のためのNature-based Solutions: NbS(自然に基づく解決策)の運用についての紹介,森林の根の補強効果による表層崩壊発生の抑止等についての説明があり,実際に解析ソフトウェア等を使った感度分析の実習などに取り組みました.
フィールド実習では,森林の根の補強効果を定量的に評価するための根の引き抜き試験の実演やNbSによる斜面安定化現場を見学し説明を受けました.
【日程】
6/17〜21:フィレンツェ大学での講義および実習
6/17:土砂災害のリスクマネジメントに関する気候変動の影響と適応,土砂・落石災害の事例から学ぶリスク軽減に関するNbSの実習
6/18:斜面安定性に及ぼす植生効果の定量化とモデリング,Slope Stability Analysis Program: SSAP(斜面安定解析プログラム)による植生効果を考慮した斜面安定性解析の実習
6/19:土砂災害のリスク軽減に関する方策,土壌バイオエンジニアリングのモニタリングと有効性,Landslide Risk Mitigation Toolbox: LaRiMiT(土砂災害リスク軽減のためのツールボックス)の土砂災害事例への適用に関する実習
6/20:土砂災害のリスク軽減に資する保護林,SlideforNET(オンラインツール)による保護林の性能評価に関する実習
6/21:地盤改良を目的とした従来型の取り組みと生物学に基づく新たな解決策
6/23〜27:屋外実験場やNbSを施した土砂災害現場のフィールド実習
6/23:フィレンツェにおける木の根の引き抜き実験サイトおよびNbSによる地すべり安定化サイトの見学
6/24:オルトレポー・パヴェーゼのブドウ園における表層崩壊の安定化に向けたNbSと農業生産工程の見学
6/25:ポルトフィーノ自然公園におけるNbSの実施現場の見学
6/26:ルッカ・マッサチウッコリ湖におけるNbSの見学
6/27:ローマでの研究交流会とモンテ・マリオでの地すべりの見学
【関連リンク】
【写真1】講義後の集合写真
【写真2】フィールド実習中の集合写真