災害・復興科学研究所の片岡香子教授が第22回国際堆積学会議(The 22nd International Sedimentological Congress)において基調講演(Keynote Lecture)を行いました
研究成果
災害・復興科学研究所の片岡香子教授(複合・連動災害研究部門)が、ニュージーランド・ウェリントンで2026年1月26日から31日に開催された、第22回国際堆積学会議(The 22nd International Sedimentological Congress: https://confer.co.nz/isc2026)に招聘され「From “Volcanic Sedimentology” to “Sedimentary Volcanology”: the role of volcaniclastic deposits in terrestrial and deep-water environments(火山堆積学から堆積火山学へ:陸上と水底環境での火山砕屑堆積物の役割)」と題して、45分の基調講演を行いました。堆積学(地層の科学)における世界最大規模の組織「国際堆積学会(International Association of Sedimentologists)」は、4年に1度の学術大会を開催し、堆積学に関わる最前線の議論を行う場となっています。基調講演には、世界から8名の研究者らが選出され、学会には45カ国から約600名が参加しました。基調講演において片岡教授は、火山学と堆積学を融合させた視点から、水流によって運搬・堆積した「火山砕屑性(かざんさいせつせい)堆積物」が持つ科学的価値を論じました。
講演では、噴火に伴い連鎖的に発生する火山性土石流や洪水、それに付随する広域環境変化を紐解く「火山堆積学(Volcanic Sedimentology)」について概説しました。さらに、火山砕屑性堆積物の解析から逆引きで噴火の全容を解明する「堆積火山学(Sedimentary Volcanology)」の重要性を強調しました。火山体に記録が残っていない過去の噴火であっても、河川や湖底の地層を精査することで、噴火の場所や規模、年代を特定できることを示しました。
このような「地層という過去の記録」を読み解くことは、複雑な火山現象の理解のみならず、将来の災害シミュレーションの精度向上に不可欠です。本研究は、学際的・多角的な知見を統合することで、噴火現象そのものに加え、その後数十年から数千年単位で続く長期的な地形変化や環境への影響を正しく評価することを目指しており、今後も火山防災の発展に寄与する研究を推進していきます。

