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No.33

 群馬県
発生年月日

1996年6月16日

発生時刻

不明

天候

不明

発生場所
群馬県利根郡水上町
谷川岳 一ノ倉沢衝立岩北稜下部
標高1200m付近
被災者

死 者

2

 

負傷者

0

死 者
埼玉県志木市,印刷業,男性(53) 【死因は不明】
千葉県松戸市,会社員,女性(42) 【死因は不明】
 
負傷者
 
 
 
入山目的 登山
崩落の形態 誘発崩落型
災害の概要

 谷川岳一ノ倉沢衝立岩北稜下部の雪渓で埼玉県志木市,印刷業,男性Aさん(53)と千葉県松戸市,会社員,女性Bさん(42)が16日に転落した事故で,沼田署は17日までに,2人の死亡を確認した.
 AさんとBさんは16日に日帰りの予定で入山,衝立岩を登り,北稜下降ルートで下山していたが,途中の雪渓(幅約300m,長さ約700m)を渡っているとき,長さ約20m,幅約5mに渡って2人の足元の雪渓が崩れて約10m転落,雪の固まりに挟まった.
 付近を下山中だった神奈川県の山岳会のパーティーが雪の崩れる大きな音を聞き,現場で2人を発見したが,その時はまだ2人とも生存していたらしい.通報を受けた谷川岳警備隊員らは16日午後9時25分に現場に到着.Aさんは16日午後10時20分,センター職員に背負われて下山途中に死亡.雪渓に埋まっていたBさんは,救助活動中の16日午後10時半に死亡が確認された.
 AさんとBさんは東京都大田区の山岳会に所属.Bさんは登山暦20年のベテラン,Aさんも5年以上の経験があった.
 衝立岩の北稜下降ルートは,岩登りとしては上級コース.今年は冬の大雪などの影響で,事故現場の雪渓は例年より1ヵ月ほど前の状態だった.同署は「ここ数日温度が上がったため,雪渓が崩れやすい状況だったのではないか」と見ている.

参考資料
上毛新聞 1996年6月18日 16面