31日午後,富山県警山岳警備隊に入った連絡によると,31日午前10時40分ごろ,剱岳東側の北股(標高2000m)を登はん中の山岳会4人パーティーのうち,東京都品川区,幼稚園教諭,女性Aさん(23)と横浜市保土ヶ谷区,会社員,男性Bさん(35)の2人が,長さ30m,幅15m,厚さ4mのスノーブリッジの下をくぐっていたところ,突然この雪渓が頭上で崩れて2人は下敷きになり,Aさんは即死,Bさんも間もなく死亡した.先にスノーブリッジをくぐり難を逃れた他の2人のうち,1人が剱沢にある剱沢警備派出所まで来て連絡してわかったもの.富山県警山岳警備隊員や中央大学岳友会メンバーら12人が現場に向かい,31日夕方,2人の遺体を500m下流の二股まで下ろした.
Aさんらは山岳会の一員とし30日,長野県大町側から立山東側の真砂沢に入山.この日は4人パーティーを組んで仙人山(標高2211m)を1周するコースで北股を登はん中,この事故に遭った.
富山県警山岳警備隊では「いまごろの時期は雪渓が一番溶けやすく注意が必要だ.スノーブリッジの場合は見れば危険かどうか分かったはずだが」と話している.
遭難現場の北股は,剱沢と真砂沢の合流点下流の二股から仙人山や仙人池,剱岳北側の池平山(標高2561m)に至る南北に延びている谷のルート. |