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No.13

 富山県
発生年月日

1974年7月30日

発生時刻

12:10頃

天候

不明

発生場所
富山県魚津市片貝川上流
阿部木谷
標高1000m付近
被災者

死 者

1

 

負傷者

0

死 者
富山県魚津市,中学2年生,男性(13) 【死因は脊椎骨折による呼吸麻痺】
 
 
負傷者
 
 
 
入山目的 リーダー講習会
崩落の形態 自然崩落型
災害の概要

 30日,野外活動リーダー講習会に参加し魚津市片貝川上流で自然観察中の中学生が,頭上の雪渓から崩れ落ちてきた雪塊を背中に受けて岩上に転倒,脊椎骨折で死亡するという事故があった.
 このリーダー講習会は魚津市教委,魚津市中体連主催の中学校生徒を対象にしたもので,教諭ら7人,中学生徒25人が参加し,29日午後から2泊3日の日程で魚津市・片貝川上流19kmにある市営キャンプ地を拠点にして行っていた.
 30日は朝食後,自然観察の時間として一行はキャンプ地からさらに上流4km地点の阿部木谷の雪渓地帯へ出かけた.阿部木谷付近で昼食を済ませて間もない午後0時10分ごろ,阿部木谷の雪渓下の石の上に立っていた富山県魚津市,中学2年生,男性Aさん(13)がドーンという雪渓が崩れ落ちる音とともに雪塊にたたきのめされて,約1m下の河原に転落し,間もなく死亡した.
 検察医の診断によると,雪塊で背中を強打し,脊椎が3ヶ所で折れており,このため呼吸マヒを起こしたもので救いようがなかったろうとしている.
 事故現場の阿部木谷の登山口.一帯の片貝川の谷あいは雪渓に覆われ,所々に大きな穴があいており,夏の日差しを受けて急速に融けはじめ,Aさんの命を奪った落下雪塊は渓流へはみ出た雪渓(ひさし状の長さ,奥行きとも約5m,厚さ2m)があった危険地帯.

参考資料
富山新聞 1974年7月31日 17面