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ホーム災害調査2019年 台風19号による災害阿賀野川流域(鹿瀬・津川地域)

阿賀野川流域(鹿瀬・津川地域)

2019年10月19日

阿賀町の阿賀野川周辺における被害状況について,10月16日に旧鹿瀬町から旧津川町にかけて予察的な調査を行なったので以下に報告する.

(新潟大学災害・復興科学研究所 河島克久・渡部 俊)

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1.調査範囲

調査範囲は国道459号,国道49号,県道174号,県道322号,および津川市街地である.

2.浸水被害発生位置

調査で明らかになった浸水被害発生位置の概略図を図1に示す

図1
図1 浸水被害発生位置の概略図.赤色は道路や田畑などが浸水した場所である.薄い青色(水色)は住家が浸水した場所である.

3.主な浸水状況

図2
図2 実川島の住家の浸水状況(床下浸水,浸水深1.04m).
図3
図3 荒砥沢近くの水田の浸水状況.
図4
図4 深戸(木揚場沢近く)の水田の浸水状況(流木が堆積している).
図5
図5 平堀の農地の浸水状況(浸水深1.35m).
図6
図6 津川市街地(姥堂川周辺)の浸水状況(床上浸水,浸水深1.6m).
図7
図7 京ノ瀬の浸水状況(床上浸水,浸水深1.4m).
図8
図8 角島の道路陥没状況(県道174号).

4.阿賀町洪水・土砂災害ハザードマップ(平成20年3月作成)との比較

図9
図10
図9 青:ハザードマップで浸水が想定されており,今回の水害でも浸水が確認されたエリア,緑:ハザードマップで浸水が想定されていたが,今回の水害では浸水が確認されなかったエリア,ピンク:ハザードマップで浸水が想定されていなかったが,今回の水害で浸水が確認されたエリア.

5.まとめ

・阿賀野川と支流の合流部付近で浸水・冠水被害が多い(水沢川,常浪川,姥堂川,赤岩川,槇沢川など).
・姥堂川との合流部の津川地区(阿賀野川左岸),および阿賀野川右岸の角島・京ノ瀬・大牧地区で床上・床下浸水が多い.
・角島・京ノ瀬・大牧地区は一時的に孤立状態であった.
・浸水被害発生場所はハザードマップ(浸水区域図)と概ね一致していた(一部,同図に示されていない浸水あり).
・平成23年7月新潟・福島豪雨のときも浸水したという声が複数あった.
・調査範囲には地すべり・がけ崩れなどの土砂災害は確認できなかった.