28日午前11時50分ごろ,日高山系ナナシ沢の1823m峰南面(標高1040m)付近を登山中の大学山岳部パーティー3人のうち,北海道札幌市,大学2年生,男性Aさん(20)は崩落した雪渓の雪の下敷きになり,死亡した.
リーダーの北海道札幌市,大学4年生,男性Bさん(22)と北海道札幌市,大学3年生,男性Cさん(20)は無事で,2人は29日午後2時過ぎ,静内町の北電東の沢発電所工事現場まで下山,事故を大学に連絡し,大学から静内署に通報があった.
同パーティーは27日,日高管内静内町西の沢から入山し,十勝側へ日高山系を縦走途中に事故が発生した.静内署で2人から事故当時の状況を聴いているが,Bさんを先頭に死亡したAさん,Cさんの順で間隔を置いてスノーブリッジ内を通過中,スノーブリッジの一部が崩れ,広さ約6㎡,厚さ40cmほどの雪の塊がAさんを直撃した.2人は氷状の雪をのこぎりで切り,約1時間後に助け出したが,胸部圧迫でAさんはまもなく死亡したという.
遺体運搬のため大学山岳部の16人が,30日午前,静内から現場へ向かう.同パーティーは27日に静内町から入山,ナナシ沢などを経て30日,十勝管内中札内村に下山予定だった.同山岳部によると,かなりの難コースという. |