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日本雪氷学会論文賞を受賞しました

2017年10月06日

災害・復興科学研究所の元学生の柴田有貴さんらが執筆した論文「新潟県における年最大積雪深および積雪期間の長期変動解析」が2017年度日本雪氷学会論文賞に選定され,平成29年9月24~27日にクロステン十日町(十日町市)で開催された雪氷研究大会(2017・十日町)(主催:公益社団法人日本雪氷学会,日本雪工学会)において授賞式が行われました。柴田有貴さん(現在,公益財団法人日立市民科学文化財団)は理学部自然環境科学科4年の時に災害・復興科学研究所で卒業研究に取り組み,その研究成果を日本雪氷学会誌に投稿しました。
柴田さんらは,現存する新潟県内の積雪深データの調査・収集を行い,新潟県内の平野部から山間部までを広く網羅した長期変動解析(トレンド解析)を行いました。その結果,1941/42 年冬季から2012/13 年冬季までの72 年間において,年最大積雪深は標高30m未満で有意な減少傾向を示すこと,積雪期間は少なくとも標高350 m 以下の標高では縮小傾向にあることを明らかにしました。また,これらの結果と冬季の降水量・気温変動との関係を考察しました。今回の受賞は,新潟県内の積雪の長期連続データセットを作成し,それ用いて統計的信頼度を明確にしながら長期積雪変動について定量的な結論を得た点が評価されたものです。積雪変動は人間生活(災害)や産業活動のみならず,気候システムや生態系にも大きな影響を及ぼすものであり,本研究の成果は広い分野に有益な情報を提供するものであると言えます。

受賞者:柴田有貴(新潟大学理学部(現在,公益財団法人日立市民科学文化財団))
河島克久(新潟大学災害・復興科学研究所)
鈴木博人(東日本旅客鉄道株式会社研究開発センター防災研究所)

対象論文:新潟県における年最大積雪深および積雪期間の長期変動解析,雪氷,78(5),291-306,2016