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【イベント】第10回災害環境科学セミナー「雪害と森林」開催のお知らせ

2016年12月12日

下記の通り第10回災害環境科学セミナーを開催いたします. 今回は「雪害と森林」というテーマについて4名の方に研究成果を御紹介いただきます.多くの皆様のご参加をお待ちしております.

日時

平成29年1月12日(木)15:00~17:30

場所

災害・復興科学研究所 1階 プレゼンテーションルーム

参加方法

どなたでもご参加いただけます(申し込み不要)。

プログラム

「多雪山地における積雪グライドの発生機構とその地形・植生への影響の観測」

佐々木 明彦(信州大学理学部)

要旨:多雪地域における積雪の挙動の把握は,同地域の地形プロセスや植生動態を考えるうえで重要なだけでなく,積雪を介して発生する災害のメカニズム解明や減災のためにも重要である.本発表では,斜面で発生する積雪の挙動について概観し,亜高山帯で行っている積雪グライドの観測例を紹介する.

「斜面に生育するブナ幹の積雪期の変形モニタリング」

宮下 彩奈(東京大学大学院理学系研究科附属日光植物園)

要旨:多雪地の山地斜面では雪の作用が植生分布に大きな影響を与えていると考えられる.しかし,積雪期に斜面の木本がどのような状態にあるか,また,雪の影響の大きな場所でなぜ高木種が成長できないのかについては不明な点が多い.これらの知見は斜面積雪の挙動を知る上でも有益な情報となりうる.本セミナーでは,ひずみゲージを利用して積雪下のブナ幹の変形をモニタリングした結果を紹介したい.その結果から,傾斜角や方角が異なる斜面における,雪圧の大きさや木の成長過程について議論する.

「雪崩災害を軽減する森林のはたらき」

竹内 由香里(森林総合研究所十日町試験地)

要旨:森林には,流下する雪崩の進行を妨げ,速度を落として破壊力を弱める減勢効果がある.その効果は,雪崩の種類や規模,森林の面積や樹種,立木密度,さらには地形などの条件によって異なると考えられるが,定量的には示されていないのが現状である.本セミナーでは,新潟県妙高山域および岩手山で大規模な雪崩が発生し,スギ林や亜高山帯林が広範囲に渡って倒壊した事例を紹介する.これらを調査した結果に基づいて,流下する雪崩に対する森林の減勢効果について発表する.

「雪による倒木の災害リスクを評価する」

勝島 隆史(森林総合研究所気象害・防災林研究室)

要旨:大雪による倒木は,積雪地域での林業において大きなリスクであるとともに,道路の通行止めや,鉄道の運休,停電など日常生活に対して大きな影響を与える.倒木の発生を予測評価するには,樹冠の雪の重さや,木の強度を評価する必要がある.ここでは,冠雪の観測結果に基づいて開発した樹冠冠雪の重さを評価するモデルを紹介するとともに,モデルを用いた雪による倒木のリスク評価について紹介する.

問い合わせ先

松元 高峰(複合・連動災害研究部門)
E-mail:takane (at) gs.niigata-u.ac.jp
※(at)をアットマークに変えて送信ください