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緊急公開シンポジウム「ネパール地震と雪氷災害-現状把握と復興に向けて」が開催されました

2015年08月28日

 本年4月25日にネパールで発生したM7.8の巨大地震は,強い揺れによる直接的な被害のみならず、雪氷圏においても雪崩や氷河崩落などを誘発させて、山岳地域を中心に甚大な被害を及ぼしました。災害の現状に関しては、これまでにある程度初動調査が行われ、初期解析結果や支援活動の成果も出つつあります。そうした情報をとりまとめるとともに、一般の方々とも共有し、今後の研究・調査・復興にむけた方向性を見いだすことを目的として、2015年7月18日(土)13:00~17:00に法政大学市ヶ谷キャンパスにおいて公開シンポジウムが開催されました。本シンポジウムの主催は公益社団法人日本雪氷学会であり、NGOランタンプラン、公益社団法人日本地すべり学会、突発災害科研費「2015年ネパール地震と地震災害に関する総合調査」調査チーム、防災科学技術研究所、新潟大学災害・復興科学研究所の5団体が共催したものです。
 シンポジウムでは、冒頭に河島准教授(雪氷学会・災害担当理事)が趣旨説明を行い、谷底にあった村が全滅するという、ネパール全体の中で最も大きな被害(死者・行方不明者150人以上)を受けたランタン谷に着目して議論を進めることが説明されました。続いて、実際に現地支援を行っているNGOランタンプランの貞兼綾子代表に,現地の被害実態と本当に必要とされている支援のあり方について講演してもらいました。その後、第1部・学術報告「地震によるネパール山間部の雪氷災害を探る」と題し、衛星データ解析やランタン谷の空撮調査の結果や今後の現地調査計画について5名の研究者から速報的な研究発表がありました。続く第2部・パネルディスカッション「ネパール復興に向けた今後の取り組みについて〜ランタン村を例に〜」では、基調講演と第1部の講演者がパネラーになり。参加者から寄せられた質問に答えながら、今後の調査研究とランタン村の復興にむけた支援の方向性について議論を進めました。
 会場は150名を超える参加者でほぼ満席となる中、4時間半にわたって熱心な議論がなされ、この特異な被災状況の真相を探る学術的調査の実施と今後の復興支援に向けて有意義な情報・意見交換の場となりました。なお、このシンポジウムはネットライブ配信され、会場に来ることができなかった多くの関係者が視聴しました。