新潟大学 English

所長就任の御挨拶

和泉先生写真

 このたび丸井英明前所長の後任として,平成26年4月1日より新潟大学災害・復興科学研究所長に就任いたしましたので一言ご挨拶を申し上げます。

 私は,積雪地域災害研究センター次いで災害復興科学センターさらに災害・復興科学研究所におきまして,約40年近く,教育,研究に携わって来ました。この間に本研究所に営々と積み上げられた災害研究実績をしっかりと受け継いで,これからは本研究所の発展のために粉骨砕身努めたいと思っております。

 本研究所は平成23年4月1日に設置されましたが,その直前の3月11日には「東北地方太平洋沖地震」,続いて翌12日には「長野県北部地震」が発生しました。本研究所では地震発生直後に被災地へ調査チームを派遣し被災状況調査を実施するとともに,被災自治体の要請を受け緊急対応や復興計画策定に関わる支援活動などを行って来ました。その後も同年夏の新潟・福島豪雨災害,昨年の伊豆大島の土石流災害,平成23年から3冬期連続の豪雪災害,直近では本年2月の関東甲信地方における大雪・雪崩災害など,様々な自然災害が毎年のように発生しております。本研究所が取り組んでいる災害メカニズムの解明と復興支援に対する社会的な要請は,今後も増えることはあっても減ることはないと考えられ,その重責をひしひしと感じております。

 昨年は38豪雪から50周年,本年は新潟地震から50周年,中越地震及び新潟・福島豪雨10周年という大災害からの節目に当たる年が続いています。今後発生し得る様々な自然災害について,地域住民に適切な災害情報を提供し,災害の防止や軽減に資することも本研究所の重要な役割であり,その大きな使命を改めて認識しているところです。

 本研究所は今後も,長年の災害調査研究の成果と復興支援に関わる学術的知見に基づき,環境変動の予測,複合災害の解明,地域安全の確保といった主要研究課題に取り組み,その研究成果を国内外に積極的に発信していくことを目指してまいります。本研究所の活動並びに運営に対し,なお一層の御理解と御支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

和泉 薫