新潟大学 English

所長退任の御挨拶

2014年04月02日

 このたび平成26年3月31日付けをもちまして新潟大学を定年退職し、災害・復興科学研究所長の職を退任致しました。平成23年4月1日の研究所設立以来三ヶ年に亘り、所長在任中は研究所の活動並びに運営に関し御理解を頂き格別の御厚情と御支援を賜りましたことに対し、衷心より御礼を申し上げます。

 振り返りますならば、当研究所の設立直前の平成23年3月11日に「東北地方太平洋沖地震」が発生致しました。当研究所は地震発生直後より被災状況調査を実施すると共に、被災自治体の要請を受け緊急対応や復興計画策定に関わる支援活動を行って参りました。その後も、同年夏の新潟・福島豪雨災害や台風12 号による紀伊半島での土砂災害、あるいは直近では昨年の伊豆大島の土石流災害の発生など、様々な自然災害が毎年のように発生しております。研究所が取り組むべき課題である災害メカニズムの解明と復興支援に対する社会的な要請はますます増大する傾向にあると思われます。

 本年は、昔の新潟地震から50周年、焼山噴火40周年、中越地震及び新潟豪雨10周年という節目の年であります。地域住民に対して今後発生しうる様々な形態の自然災害に関し、適切な災害情報を提供し将来の災害の防止・軽減に資することも研究所の重要な役割であると考えられます。

 当研究所は、今後も長年の災害調査研究の成果と復興支援に関わる学術的知見にもとづき、「環境変動」の予測、「複合災害」の解明、「地域安全」の確保といった主要テーマに取り組んで参ります。また、日本はもとより広く海外をも研究の場として、国内外にその研究成果を積極的に発信していくことを目指します。

 今後とも研究所の活動に対し一層の御理解と御支援を賜りますよう御願い申し上げます。

丸井 秀明