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新潟大学災害・復興科学研究所開所記念シンポジウム(4月23日土曜日)開催報告

2011年04月27日

新潟大学災害・復興科学研究所開所記念シンポジウムを開催

新潟大学災害・復興科学研究所開所記念シンポジウム

新潟大学では,この度,従来の災害復興科学センターを改組し,環境変動科学部門,複合災害科学部門,地域安全科学部門の3部門からなる災害・復興科学研究所を設置した。
同研究所では,自然科学から人文社会科学,医歯学にわたる幅広い分野が連携して災害・復興科学に関する課題解決に向けた研究を展開していくこととしている。

これを記念して,同研究所では4月23日(土)同大五十嵐キャンパスにおいて開所記念シンポジウムを開催した。
シンポジウムでは,はじめに東日本大震災で亡くなられた方々に対して黙祷が行われ,続いて,産業技術総合研究所岡村行信教授,東京大学地震研究所纐纈一起教授及び災害・復興科学研究所田村圭子教授による東日本大震災に関する緊急報告を行うと共に,パネルディスカッションでは,中華人民共和国駐新潟総領事王華氏,クロアチア・スプリット大学オグニエン・ボナッチ氏,京都大学防災研究所寶馨氏及び国連大学アキレシュ・スルヤン氏により,防災・減災における国際連携の強化をテーマとした活発な議論が行われた。
シンポジウム当日は,あいにくの雨模様にもかかわらず,学内外から行政関係者など 170名余が参加し,同研究所が進める防災・減災に関する研究について熱い期待が感じられた。

パネルディスカッション要旨

新潟大学災害・復興科学研究所開所記念シンポジウム 新潟大学災害・復興科学研究所開所記念シンポジウム

オグニエン・ボナッチ 氏
クロアチア・スプリット大学教授

国際河川においては,1国が管理権を持っているわけではないので国際的な水害管理が必要である。
学問を通じて,科学的,技術的な情報交換を行う必要があり,これが長期的対策を講じる上で重要なことである。

寶 馨 氏
京都大学防災研究所総合防災研究グループ教授
近代化によって防災のポテンシャルが高まるとは必ずしも言えない。気候変動の影響を受け,世界の各地で様々な種類の水害や熱波による被災者が上昇傾向にある。
国際協力による知見の共有,復旧支援が必要である。

アキレシュ・スルヤン 氏
国連大学
国連大学での事業が紹介され,今後,特に開発途上国においては,今回の震災への対応という観点から日本の技術や経験が重要になることを指摘した。

王華 氏
中華人民共和国駐新潟総領事
中国では様々大規模自然災害に見舞われており,これらへの対策や減災のために新潟大学とのますますの連携をはかりたい。
中国の公務員を研修のために計画的に新潟大学に派遣したい。

上記の話題提供に対してモデレータの浮田教授から我々が蓄積をしてきた英知によってどのように自然災害に対応していけば良いのかという課題設定がなされ,パネラーと聴講者によって熱心な討議がなされた。