卜部 厚志 (災害研)
ほくほく線の十日町駅以南は、線路が段丘面下に入る形となりカーブをしながら信濃川の橋梁部まで、最大でも土かぶり厚10m程度のトンネル工で施工されている。 トンネル部分は30年前の国鉄の時代に施工されたもので、H鋼を打ち込んでの開削方式でトンネルを作り埋め戻したものである。 一部の新聞でも報道があるように、トンネル真上のほほ全区間に5-20cm程度の沈下がおこり、真上あるいは近接する住家が基礎から傾く被害を受けている。 要因はトンネル側面の埋め戻し砂が液状化したためとされているが、現況はトンネルそのものが沈下したようにトンネルの幅で沈下している。 埋め戻しの深度や埋め戻しの材料によって沈下の量が異なるようであった。 このような開削工法で施工することは、鉄道以外でも大規模下水道の管路等でも行われているため、十日町の事例は他地域の都市部でも発生する可能性のある問題であると思われる。