新潟大学 English

”激震”ゾーンの推定

卜部,鈴木,片岡,本郷,安井(災害研)

 本震の震源付近の川口町や魚沼・堀之内町の各集落について、構造物の被害状況調査を行った。これまでの調査結果から各集落の被災状況を比較すると、堀之内町新道島西部、川口町和南津南方、川口町田麦山に木造構造物の被害が卓越する地域が認められた。これらの地域は、大規模な斜面崩壊の分布等を加味するとおよそ北東^南西方向の狭長な帯(”激震ゾーン”)として認められるものと推定できる(図1)。このゾーンでの被害は特に崩積堆積物が厚い箇所で顕著であるが、段丘面上の比較的よい地盤上でも建物の被害が集中している。このゾーンは幅500m程度で、南縁は川口町田麦山、北縁は堀之内より北部が芋川に地すべり地帯になるため不明である。このゾーンは本震(17:56)と大きな余震(18:11)の震源をつなぐトレースとほぼ平行であり,本震と余震の断層による強震動が地表へ表れたものであると考えらる。また、このゾーンの南限は余震分布域の南限とほぼ一致するものと思われる。現在のところこのゾーン付近に明瞭な地震断層は確認できていない。

図1
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