新潟大学 English

和南津地域の調査報告

卜部(災害研)、鈴木、片岡、本郷

和南津集落の地すべり

 国道17号より南方は、新幹線の堀之内TRの坑口を含めて地すべり地形で、地すべりの頂部には開口亀裂が多数あり地盤が滑っている(写真1)。 地すべり末端の圧縮盛り上がり部は和南津神社付近の集落、国道17号付近にある。 地すべりの南側一部が再活動しており、堀之内トンネル坑口付近の新幹線の路盤と高架のRCに損傷がある。 また、この地すべりの北部は動いていないようであるが、地すべりの壁の部分に国道17号和南津トンネルの坑口がある。

写真1

和南津集落

南端部の下村,長坂地区
 木造家屋の被害は甚大で、木造2Fの構造物の9割程度が大破・倒壊している。
残っているのはほぼ、雪国3Fのみという激震ゾーンである。また,雪国3Fタイプでも2F以上の部分にゆがみが見られる(写真3) 地盤は段丘面から段丘にのる崩積堆積物地形にわたり、特に崩積堆積物地形での大破・倒壊率は非常に高い。

写真2
写真3

和南津神社付近

 地すべり末端のはらみ部に被害が見られるが、段丘面上の家屋の被災率は南方と比較するとさがる。 被害は木造2F一般タイプにみられる。雪国3Fであるがややが完全に倒壊しているものもあった(写真4)

写真4

和南津神社付近

トンネルが崩落した側の斜面は大きく亀裂が入っており、上部の段丘面の平坦部にも亀裂がはいっている。 また、トンネル法線上の段丘面の畑では幅3mくらい、深さ5cmくらいの陥没がみられクラックが入っている(写真5)

写真5