新潟大学 大川秀雄・保坂吉則
10月28日調査の主なチェックは3箇所信濃川堤外地での噴砂とその周辺の調査
調査第2報の1で触れた信濃川堤外地の液状化跡について、27日10:40発生のM6.0の余震でどうなったかを調べました。大きな噴砂口での再噴出は 無かったようですが、線状に出ている小さなものについては、新しい灰色の砂が少し被っている部分や、堤防のり尻部分に新たに噴出したと思われる部分(25 日には無かった所)もありましたが、いずれも小規模のものでした。
付近の堤防を調査したところ、堤内側路肩部分の崩落が一部に見られました。また、小さな川が堤内側にも沿う形であるところで、のり勾配がきつい所です。 したがって、そののり面にも若干のはらみ出しも見られました。
JR小千谷発電所関連の調査
神戸大学都市安全研究センターの田中泰雄先生から緊急のご指摘があり、急ぎ調査しました。 山本調整池(古い方)の取水口側の堰堤に約10cmの沈下が見られます。小千谷発電機へ送水する圧力鉄管の取りつけられた斜面の上部の道路では、池側で 最大40cmほどの沈下と斜面側への約10cm移動が見られます。のり肩ではさらに20cmほどの沈下が見られます。したがって、路肩の側溝も大きく壊れ ています。圧力鉄管を支えているコンクリート構造部分によって何とか支えられているように見えます。とても危険な状態だと思われます。ちなみに、圧力鉄管 のない部分ののり面は一部崩落しています。 新山本調整池(新しい方のもので、古い方の一段上にある)では、山側の切り土斜面の一部に見られるすべりやはらみ出し部分の変状は25日より進行してい ました。その部分の外周道路も連動して大きく動いています。レールで作られた柵の破断も見られます。堰堤の部分はチェックしませんでしたが、遠目からの観 察からは大きな変状はないようです。
国道117号線・山辺橋の調査
前項での圧力鉄管を跨いでいるランガー橋です。取り付き部分の沈下による段差で通行止めでしたが、擦り付けを行って本日から通れるようになっていまし た。ちょうど基層の転圧作業中でした。斜面に設置された南側の橋台が後に少し傾いています、したがって主桁の下側が橋台と接触しています。また、橋台下の 深礎の頭が露出しています。橋脚も破損していて鉄筋が露出しています。北側の橋脚の下も空いていて深礎の頭が見えます。発電所周りの地盤も最大で40cm の沈下があります。ランガー橋部分の北側に接続している桁橋の橋脚の下も空洞になっていて、深礎の頭がよく見えます。80cmも地盤が沈下している部分が あります。なお、隙間が全く無くなったフィンガージョイントと、逆に噛み合わせがちょうど無くなったものとがあります。地盤が斜面方向に動いた証拠でもあ ります。 早急に全体的なチェックを行う必要があると思われます。