新潟大学 English

堀之内町地域の調査

積雪地域災害研究センター 卜部厚志

堀之内町の市街部(概査)と堀之内町西方の下新田、竜光、新道島で建物被害調査を行った。

魚野川左岸芋川出口の竜光,新道島の被害

 芋川出口の竜光の集落では、木造2F建1F車庫タイプの倒壊や木造2F建屋根の被害がみられる。
新道島集落東部の堀之内浄化センター付近までは、木造2F建1F車庫タイプの倒壊が50%以下で外見的には木造2F屋根の被害(住家のほとんど)である。 新道島集落西部では,木造2F建一般住家(写真1、2、3)と木造2F建1F車庫タイプの倒壊や大破が多く、被害の軽微なものは雪国3Fタイプ((写真4)の5棟ほどである。 全体に被害が大きい地域である。集落西方の墓地では、墓地通路沿いに並べてあった径70-80cm程度の平たい石が飛んで底面を上にして着地している(写真5,6) 垂直方向に1Gをこえる加速度がかかったことを示している。
墓石も台座から大破している(写真7)堀之内の被害の状況とみると、町の西端の川口町との境界付近に、瞬間的には1Gを越える加速度と木造住家(2Fやや古い)の耐震を越え、 集落のほとんどの住宅が大破しているゾーンがあり、ここでは高速道路の盛土の大規模崩壊、上越線沿いの斜面崩壊(写真8)、魚野川の堤防の損傷が起こっていることが明らかとなった。 この強震動ゾーンの西端は和南津トンネル付近と推定される。

写真1 堀之内町新道島西方の木造2階建の住宅の損壊
写真2 堀之内町新道島西方の比較的新しい木造2階建の住宅の損壊、基礎の一部も亀裂がはいっている
写真3 堀之内町新道島西方の谷沿いの地盤の移動(亀裂多数)と強い震動による木造2階建の住宅の損壊。
基礎の亀裂は地盤の移動による。
写真4 堀之内町新道島西方の雪国3Fタイプの住家。外見上は損傷が軽微。
写真5 堀之内町新道島西方の墓地通路での石の”飛び跳ね”
土に埋まっていた部分が上になっている.
写真6 堀之内町新道島西方の墓地通路での石の”飛び跳ね”
1m近く北方向に飛んでいる。損壊を受けた木造住宅の座屈方向もほとんどが北方向である。
写真7 写真6の墓地での墓石の大破
写真8 上越線沿いの斜面崩壊。上越線を土砂が覆っている。