中越地震地盤災害空中写真判読結果
卯田 強 (理学部自然環境科学科)
手に入った空中写真を急遽判読しました。今後の調査の参考にしていただければ幸いです。
1.地震断層
- この縮尺の写真では地震断層は認められない。
- 東山背斜の褶曲軸面にある地質断層は震源断層となっていない。
2.崩壊
- 崩壊地はほぼ余震域に集中している。
- とくに鮮新~更新統下部の西山層(泥質岩からなる)が分布する地帯に際立って多い。
- 地質構造に依存するようには見られない。
- 背斜軸部(鞍部)の鋸山付近に分布する火山岩~火山角礫岩の分布する個所はほとんど崩落がない。
- したがって崩落は地質構成に依存し、地震動によるもので、地震断層の活動に伴うテクトニクスなものではないと判断できる。
3.液状化
- 信濃川と渋海川の合流点付近を中心に、いずれの左岸・右岸の後背低地にみられる。