新潟大学 English

広神村北縁、一ツ峰沢南東側の斜面の調査

小林健太・豊島剛志ほか(自然科学)計6名

広神村北縁、一ツ峰沢南東側の斜面を調査した。
アジア航測が空撮した直線的な山腹のずれを地表で確認し、地震断層か否かを判断することが主な目的である。

写真1 山腹のずれは南北走向で数100m連続する落差数10mの西落ち断層崖であった。
周辺の地質はほぼ水平な砂岩泥岩互層である。
写真2 西側には北東-南西走向で落差2-5mの西落ち断層崖が形成されている。
周囲には同走 向で最大落差1.2mの東落ち断層崖も多数形成されている
写真3 東落ち断層の一部は右横ずれ成分を伴う
写真4 東落ち断層の一部では表面に鉄酸化物?の沈殿と条線が認められる場合がある

考察:周辺一体が100m以上の広がりを持ち西方へ移動する地すべり地塊と解釈した。
基底のすべり面は水平な層理面に沿って発生し、二枚の西落ち断層は地下でそれに収斂する。
各すべり面の上盤には後方に傾斜する東落ち断層群が形成された。鉄酸化物?の沈殿と条線からみて、
断層の少なくとも一部は今回の地すべりに先行して既に 形成されており、すべり面に天水を供給した可能性がある。

付記:SBC信越放送の同行取材を受けた。