新潟大学 English

小千谷市西方の被害調査報告(速報)

10月29日 積雪地域災害研究センター(卜部)

小千谷市西方の中通,山田、油新田、若葉3丁目、両新田、時水、藪川、中島、水口、上村、打越、西中の各集落における被害の分布を調査した。 全般に、建物被害は、木造2F建で1Fが車庫あるいは倉庫の構造物に集中しており(写真1)、ごく一部に木造2F建ての一般住家が含まれる(写真2)、 雪国仕様の3F(1FがRCで2F以上が木造)の被害は少ない。ごく一部の鉄骨構造物に損傷がある(写真3)

橋脚のほとんどは問題ありませんが、出口付近の一部と中間点付近の一部で鉄筋が露出する程度の損傷が見られます。 なお、橋脚の根元部分ですが、多くの橋脚で地割れが見られます。 また、約10脚で茶色の泥水の噴出があったようです、根元の痕跡から、50cm程度の高さでしょうか。1本だけ、3m位までの痕跡があります。 原因ですが、状態でフーチングが入っていることなどを考え合わせると、液状化とは思えません。 振動中に埋戻し土と橋脚間の隙間の水が水鉄砲のような状態で弾かれたと思われます。

写真1 小千谷市中島における木造2階建1階部分車庫構造の建物の倒壊
この地域の建物の倒壊方向は東方向が多い。同様の倒壊は打越でも高率で起こっている。
山田、両新田、時水、藪川、中島、水口、上村、西中は、木造2階建1階部分車庫の建物の損壊が少ない
写真2 小千谷市油新田における木造2階建一般住家の被害
小千谷市西方の上記地域では、一般住家の被害は少ない
写真3 小千谷市油新田における鉄骨2階建(内部に大空間)の被害.
この地域の関越自動車道は多くが盛土区間であり多数のボックスカルバートがある。
これらのボックスカルバートは、多くの箇所で10~40cm沈下しており(写真4)
ボックスが不等沈下したためにジョイント部が10~50cm程度開口し、盛土材が崩落している(写真5)
橋脚区間では泥水の吹き上がりが起こっている(写真6)
写真4 関越自動車道の盛土区間のボックスカルバートの沈下
写真5 関越自動車道の盛土区間のボックスカルバートのジョイント部
写真6 関越自動車道の橋脚部分の泥水の吹き上げと地盤部分の沈下
小千谷市若葉3丁目では歩道部分でマンホールの抜け上がりが多数認められる(写真7)(max=120cm)
道路盤は改良工事をしているためか変状軽微。
建物はほとんどが新しい雪国仕様の3F(1FがRCで2F以上が木造)なので被害なし。
写真7 歩道のマンホールの抜け上がり 若葉3丁目では多数のマンホールの大規模な抜け上がりが認められる